文字狂い

オタクにもサブカルにもなににもなれずに死ぬ

おぞましさの平均化

さっき、精神科入院時に書き倒していたノートを見つけたので読んでいると、「患者のおじさんに求愛されていて、主治医にも伝わってて、主治医に「あのおじさんのこと好きなの?」と言われて、とっさに(人間として)そうですと言ったら、頭を冷やせと言われた」というメモを見つけて、おぞましくなった。

アルコール依存症のきったないおじさんに見初められてずっと時間潰しに付き合ってやったけど、あれはセクハラだったよなと思い始めたらおぞましくて、ちょっと卒倒していた。でも、言っちゃあ悪いけどああいう人って菊地成孔的だからあんまり無下にするのも念を飛ばされそうで怖いです。なんか自分の衣類でヒトガタを作って、人形のように愛撫してたのを看護師に片づけられていたので、呪術のできる人は怖いなと思うし、当時は呪術のからくりが知りたくて、呪術的な人にはなんでも靡いていた気がする。

よくみんな元彼死ねとか言うけど、死んでほしい相手のちんこを自分の股に突っ込んでいたのを考えるとおぞましいと思う。私は元彼のことはあんまり好きじゃないんだけど、カスではない(けどちゃんとした人でもない)ということだけで溜飲を下ろしてるけど、あの人と呪われたように週3でセックスしていた二年間のこと考えるとぞっとする。心持としての処女であることに神経質になってしまう。

昔は、好きでもない人と結婚するもんだと思ってた。お見合い結婚が上手くいくと聞いて、お見合い的な出会いを大事にしようと思っていたけど、お見合い結婚が持続するのは、ひたすら自分に客観性を抱くのを放棄してるからとしか思えなくなった。話を聞いていると私の両親はお互いに納得があったうえで結婚しているのを、最近になって把握したから、それでも母親なんかは処女婚ではなかったらしいし、私と同じように気持ち悪い人と交際していた時期もあったらしいので、なのにある瞬間卒倒せずに生き生きと生きていけるのが凄いと思う。

私が人生に卒倒している時、もしこの身体の入れ物が他であった場合、涙を流すこともあったかもしれないが、全然ドライな理性が効いてて泣けないし、だけどめちゃくちゃ卒倒する。男を見る目がないというわけでもないけど、自分の価値に無自覚でいたところがめちゃくちゃ悔しい。自分の価値ってたまに就活したら内定した会社のランクとかで測ることもあるけど、それは第一印象のひとつでしかないわけだから、第二、第三と、ころころ変わる。私は世界で一番文才のある人間らしいのがわかってきたけど、それを自覚できないおぞましさもあるし、結構無駄がないようでかなり無駄ばっかりな人生なのを思う。結構間違えている。私の文才は家柄や遺伝とは関係がなく、しいて言うならば福岡高校西南学院大学に通っていたからそれと巡り合えたと言えるが、書いてみないとわかんないことだし、書いてきたから有名になったのだが、消した文章は山ほどあるので、それに対峙する日がくるかもしれない。松永天馬は私の言葉を全部保存しているらしいが、元彼の生々しい描写(例えば、元彼とデートしてセックスしかすることがない(共通項が何ひとつないから))とかをもし見ることがあるなら、きっと泣いてしまうだろう。元彼が悪いわけではないけど、なぜ肉欲よりもいいものを見つけられなかったのかを考えると、やっぱぞっとしてしまう。

でも、母親もそうだし、ヲチしてるコンカフェ嬢は年に一回彼氏が変わるので、全員とセックスしてるわけではないだろうけど、1回以上は確実に失敗してるわけで。仲良くしてくれてる薔薇園さんも、たくさん恋愛をしてきたという。やはり、回を重ねて積みあがる修羅みたいなものがあるんだろうけど、人の出会いによる。コンカフェ嬢なんかも、味見してみてよかったと思う人と付き合ってるから今があるんだろうけど、私は元彼とかアルコール中毒症のおじさんとか振り返ると、こんな弱者にしか好かれないのかと愕然とする。私はたまに変なファンがくっついてくることがあるが、みんな、なんていうかなあ、障害者になることすら拒否した我の強い弱者にしか好かれない。なんていうか、アーバンギャルドの「メトロスペクティブ」の「背神者」の歌詞のように「でも知ってるよ 君は君の神様 欲しいだけなんだ! まるで着ぐるみピエロさ」があるが、そういう人は啓蒙されたいし信仰していたいし、よすがが欲しいのだろう。ただの甘ったるい女の子では、信仰に耐えられないが、私は金稼ぎそうなのは思う。金じゃなくても、「僕って無価値だよね」という問いに「いいえあなたにはわたしがいるじゃない」みたいなアンサーを出しそうなんだろうな私は。ぞっとする。

皆さん。「僕って無価値だよね」と言われたらなんて答えますか。その答えを持てると、弱者があなたに群がり搾取していきます。おぞましい。