文字狂い

オタクにもサブカルにもなににもなれずに死ぬ

歌詞論考 2024/03/15

今まで私は音楽を聴いていて歌詞をないがしろにしてきた。歌詞はノイズという捉え方をしていて、歌詞にエモを感じるとそれきり聴かなくなる。だけど、改めて歌詞を読んでみると、これを無意識に聴いていた自分がいかにキチガイなのかを思う。

チャットモンチーは数曲しか聴かない(のは非常に勿体ないのだろうが)が、「シャングリラ」を聴いていると当時からいわゆる「メンヘラ」ってこういうことなんだろうなと思った。携帯を落としたのはカンバセーション上のイニシアチブを獲るための行動で、ダメな人って叱りながら愛さないといけないらしいので、すべてはかまってちゃんなところがあるのだろう。メンヘラのことを「会話上でいつも事故ってでもイニシアチブを獲ろうとする人」と定義していいのだろうか。そういう類のメンヘラはテン年代のかほりがする。

GO!GO!7188の鬣(名盤)を聴いていた当時の中学生の私は鬣的な音楽センスを「60点的音楽」と思っていたけど、三十路手前になり、あれから15年経って、プログレとか聴くようになってから、鬣程度の音楽性を出すことがいかに難しいかを知る。あれは飛行機でたまたま隣に座ってウォークマンを聴きながら小6の私に「学校楽しい?」と聴いてきたお姉さんのような人が片手間で作ったコールスローサラダみたいな味わいがあるが、あれを出すのにいかに恵まれていたか、その栄光を掴むだけあって清々しい精神であるか、あらゆる奇跡が総合しないと難しい。

鬣の歌詞とか拙いなと思うけど、あの拙さがいいんだよな……と思う。なんていうかノマアキコの歌詞は、なんてことない日常からちょっとした飛躍を詰め込んで納品した意匠があり、歌詞を読むときの「どこまで嘘か本当か」という詰めから読者も作者も逃れられている気がする。

ノマアキコは昔浜田亜紀子で、557188の野間さんと結婚したということになるが、素朴過ぎる。そう、ロッカーはみんな素朴なのだ。チバユウスケ喉頭がんで死んだことになっているが果たしてそうなのだろうかと考えることもある。チバユウスケはシルバーアクセサリーを身に着けるように嘘を着ていた気がする。どの文脈であっても、「今後活動はしない」というのだけは絶対なので、もうチバユウスケは歌わないのだろうが、私はチバユウスケは酷使されてきたんだろうなと思う。自分の母親は還暦をとうに越していてその身で働かせて晩御飯を作らせている。もうやめたいと常々言う母親を家事から他界させるべきなのではないか。

2年前から、予測変換でフランツフェルディナンドを入力すると「アレックスはクズだよ」と何度も言われてきた。あらゆるインタビューを見るに、なぜ最凶の単語「フランツ・フェルディナンド」をバンド名にしたのかというと、競馬で当たったかららしい。その馬にちなんでフランツフェルディナンドと付けて、バンドをやるというクズ男たちのビッグドリームを叶えて資産運用をやっているのだとわかった。私はフランツフェルディナンドの中でも「cheating on you」が結構好きなのだが、かなりクズ度の高い曲である。こういう経緯を鑑みてフランツフェルディナンドを聴くと「Do you want to」なんかも最悪な曲だと思う。君は俺のことを好きになってラッキーだよ!という意だが、すかんぴんのおじさんが言ってることはとても切実だ。アレックスは30歳台でバンドを初めて、あのおじさんの作る音楽ってなんでこんなに親しみやすいのかと常々思う。なんで無から有が生まれたのか。ニックが凄かったと思う。クズの友達は才能があるのだろう。あの歌詞はおじさんの切実さだと思う。あれは文才だと思っていたが、なんのこっちゃない。才能と言えば才能だが、そのはりぼてのしくみを見つけるとなーんだ、とか思うだろうけど、私はあんまり思わない。これからもフランツフェルディナンドをアーティストの中で一番に親しんで聴くと思う。

なぜ私がフランツフェルディナンドを好きなのか、松永天馬に教えてもらった。松永天馬は占いに最近行ったらしく、そこで結婚の話とか見てもらったら「あなたの思い人はあなたが思っているより人を見る目がありません」と言われたらしい。つまり人を見てないからだと思う。人を見るって何なんですか? クズであることと、私と折り合いが悪くなるかどうかは別だと思う。私と折り合いが悪くなる人というのは、私を僻むようになったらおしまいだと思う。クズは私を利用しようとは現時点で至らないらしく、クズはつまり自分をチアするかどうかで人と付き合っているので、私はめちゃくちゃチアする。そして、話をしてみると、実にクズが心の中にいい色彩を掲げているのがわかり、和む。

大槻ケンヂのライブに行く前、大槻ケンヂは福岡に来てくれないので、まあ飛行機に乗って上京しないとライブを見れないが、大槻ケンヂのライブに行く前日に、高級マンションの地下800階にエレベーターの工事中の画面から突き落とされる夢を見た。犬が鳴いていた。犬よ、笑うな。と歌ったら一目置かれた。そんな悪夢を見ていると、飛行機に間に合わず、大槻ケンヂのライブに行くことは無かった。

他にも、大槻ケンヂツイキャスを見て何個かコメントした後就寝したら、高級マンションの地下800階に突き落とされて、小さい頃におまじないの本で読んだ悪夢を見た時に言う呪文を唱えた。確かアブラウンケンソワカしか言ってないけど。効かなかった。それ以来大槻ケンヂが怖くてツイキャスを見てない。

大槻ケンヂがリスナーを夢に招待するのって、ある意味ジャニーさんでいう「佐藤勝利部屋」みたいなことなんだろう、と捉えてしまっているからよくないんだと思う。でも大槻ケンヂが夢に招待してくるんだったら、何もしないをやるしかない。そこで何かしてしまったら、園子温的文脈では主演女優になれて正解だけど、大槻ケンヂの文脈においてはリスペクトがなくてNGだと思う。まあある意味パワハラ(夢ハラ)だけど、映画秘宝的文脈で言えばそれも青春と捉えられるのだろう。困るけど。

大槻ケンヂの夢に招待されて、本当に病んでる人は、このまま私を連れ去って!とか言うんだろうけど、多分夢の中の話であっても、それを大槻ケンヂが実行した場合、警察は全部わかるので、多分大槻ケンヂは捕まると思う。私はハッピーアイスクリームなんかを聴いていると大槻ケンヂがいかにロリィタ系小悪魔少女にわがままを言われて悩んできたのかを思う。私も松永天馬に夢ハラをされたら、何か代償を乞えばいいのか~と思うけど何にも出てこない。松永天馬に関してはあの人は半分私だから、私の意思をコントロールできるらしくて、っていうか私が白痴の時にしかやってこないので、夢の中で指示されたら従ってしまうけど、今日の夢で何を言えばいいのかわからない。いつも夢は過去を辿ってやり残したことを実行しているけど、夢の中だから何もやったことにならない。追体験をしたということにはなるので、虫の居所は収まるが、違う文脈で怒りを抱くことはある。

大槻ケンヂに夢を司って欲しいのなら、大槻ケンヂに自宅の住所を書いた手紙を書くと、大槻ケンヂが夢の中に現れてくれるらしい。私は自宅の住所を書いた。そういう意図があるはずもなく、ただ大槻ケンヂがスピリチュアリストとして優秀なのは感じていた。まあ2万円ドブに捨てたけど、いい勉強だったと思う。大槻ケンヂは私と会うことがもしもあるのなら気負いしないでほしいと願う。今週から大槻ケンヂツイキャスを聴くのを再開しようと思う。

地方都市、民度、精神疾患

福岡は東京よりも東京で、昔アメリカ軍が福岡に原爆を落としたかったのがよくわかる。福岡の人はめちゃくちゃ本音しか言わないし、アメリカの体裁が悪い時もズバズバ言ってたからムカつかれたのだろう。

でも福岡が東京なのは福岡市に限る。久留米や北九州もなかなかいい都市のはずなのに、悲しいかな、民度が田舎臭い。私の実家は福岡市城南区だが、就職のために市外のベッドタウンに一人暮らしをしているが、ちょっと処住まいを変えただけでこうも人種が変わるもんだなと思う。まあつらくなったら実家に帰ればいいから別に気にしてないけど。

私の活動拠点は田舎だが、2020年にもなると田舎も田舎らしさを味変しだして、企業が営利活動をしやすい棲家にしようと区画整理している。だから、ちょっと道を踏み外したら住宅街なのに、こっちに行けばコメダ珈琲もガソリンスタンドも自転車屋もイオンもなんでもある。

働きやすいところでばりばり働いているのだが、上司がすぐ喝破すると泣いてしまう。なんで涙が止まらないんだろう。他の上司からは「そんなに泣くなら心療内科に行けば?」と言われたので行ってみることにした。

精神科を検索してすぐに出てくるところよりは、人づてに評判を聞いた病院のほうがブルーオーシャン的だと聞いたので、二駅となりくらいの精神科の予約を取った。待合室で待っていると、隣のブースに座っていたおじさんが話しかけてきた。

「僕は双極性障害なんだけど、君は?」みたいなことを訊かれたので「まだ来たばっかりです」みたいなことを言っていると、おじさんは持っていたノートをちぎり、電話番号を書いた。「僕は君の力になりたい」、そう言って、トイレへ入っていった。

精神科を教えてくれた先輩に「精神科でナンパされるのってありえるんですか」と訊いたら「みんな患者は知らない顔をして、極力顔を見られたくないようにふるまう」と言っていた。ぞっとしていると、診察室に呼ばれて、まず看護師に聞き取り調査をされた。なんで泣くのか、はもちろん、生まれてから今まですべてをざざっと話した。

待合室に戻ると、私がいた席におじさんが座っていて、やっと私はおじさんが幽霊だってことに気づいた。

「やあ君」「あなたはいつからここへ?」「まあいつでもいいだろう」「私が病気なのは、あなたのせい?」「そうかもな」「まあ!」

おじさんは全然見たことがない人だった。「おじさんは何者」「さあどうだろう」「祖先とか」「逆」「逆?」「俺はお前の子供なんだよ」

おじさんは昭和っぽいと言ってもいいような身なりなので、未来を生きてることに愕然とした。やはり令和は昭和なのだろうか。「君が妊娠するころには令和じゃないよ」あっそう。

おじさんは案外喋るのが下手くそなので、時期を見計らい、ツイッターを追っていると、ジャニーズが好きなのでジャニーズの情報ばかりを購読しているが、みんなジャニーズに対してかなり濃度の濃いファンレターを送っているらしく、文春がそのファンレターを抜粋しているのを読んだ。

文春は、いや、もはやインターネットに限らず、天啓というのは、そっくりそのまま信じるのはちゃんちゃらおかしい。どこかでは真実だとしても、そのどこかを切り取る際の次元の上げ方を、私はジャニーズを通して鍛えてると思っているのだが、この記事の、「ジャニーズ東北の成田八角くんは片親で、母親は占い師をやっていて、その客として潜入したが、そこでホメオパシーを勧誘された」みたいなニュースから発端は起こったが、「わたしならその御言葉清涼水を100セット買います、自己破産してでも、この愛成田君に捧げます」みたいなことを一人だけじゃなくいろんな角度でファンレターとして成立されていて、実際母親は金に困らなくなったらしいし、っていうニュースを読んだら、私が成田くんに送ったファンレターがいかに狭い世界でいかに陳腐かを思って、泣けてきた。

「泣くことないよ」おじさんが私の頭を撫でる。

診察室に入り、医者と話をする時、まず「さっきからおじさんの幽霊が見えます」「おじさんは私の息子と名乗っています」と言うと、見事にスルーされて、サインバルタブロチゾラムを出されて、薬局に向かった。

「俺、母ちゃんに認知されてうれしいな」おじさんは薬局でウォーターサーバーの周りをうろつき、ガンガン誤作動を起こし水を出させている。「これからは僕といつも一緒だね」私は思う、「いつあなたと出会うの?」「もうすぐだよ」「もうすぐなんだ」「俺は、世界一の母ちゃんだと思ってる」「そうなんだ」「じゃあね!」そう言って、息子は消えて、薬剤師に呼ばれると、あの息子がいた。

おぞましさの平均化

さっき、精神科入院時に書き倒していたノートを見つけたので読んでいると、「患者のおじさんに求愛されていて、主治医にも伝わってて、主治医に「あのおじさんのこと好きなの?」と言われて、とっさに(人間として)そうですと言ったら、頭を冷やせと言われた」というメモを見つけて、おぞましくなった。

アルコール依存症のきったないおじさんに見初められてずっと時間潰しに付き合ってやったけど、あれはセクハラだったよなと思い始めたらおぞましくて、ちょっと卒倒していた。でも、言っちゃあ悪いけどああいう人って菊地成孔的だからあんまり無下にするのも念を飛ばされそうで怖いです。なんか自分の衣類でヒトガタを作って、人形のように愛撫してたのを看護師に片づけられていたので、呪術のできる人は怖いなと思うし、当時は呪術のからくりが知りたくて、呪術的な人にはなんでも靡いていた気がする。

よくみんな元彼死ねとか言うけど、死んでほしい相手のちんこを自分の股に突っ込んでいたのを考えるとおぞましいと思う。私は元彼のことはあんまり好きじゃないんだけど、カスではない(けどちゃんとした人でもない)ということだけで溜飲を下ろしてるけど、あの人と呪われたように週3でセックスしていた二年間のこと考えるとぞっとする。心持としての処女であることに神経質になってしまう。

昔は、好きでもない人と結婚するもんだと思ってた。お見合い結婚が上手くいくと聞いて、お見合い的な出会いを大事にしようと思っていたけど、お見合い結婚が持続するのは、ひたすら自分に客観性を抱くのを放棄してるからとしか思えなくなった。話を聞いていると私の両親はお互いに納得があったうえで結婚しているのを、最近になって把握したから、それでも母親なんかは処女婚ではなかったらしいし、私と同じように気持ち悪い人と交際していた時期もあったらしいので、なのにある瞬間卒倒せずに生き生きと生きていけるのが凄いと思う。

私が人生に卒倒している時、もしこの身体の入れ物が他であった場合、涙を流すこともあったかもしれないが、全然ドライな理性が効いてて泣けないし、だけどめちゃくちゃ卒倒する。男を見る目がないというわけでもないけど、自分の価値に無自覚でいたところがめちゃくちゃ悔しい。自分の価値ってたまに就活したら内定した会社のランクとかで測ることもあるけど、それは第一印象のひとつでしかないわけだから、第二、第三と、ころころ変わる。私は世界で一番文才のある人間らしいのがわかってきたけど、それを自覚できないおぞましさもあるし、結構無駄がないようでかなり無駄ばっかりな人生なのを思う。結構間違えている。私の文才は家柄や遺伝とは関係がなく、しいて言うならば福岡高校西南学院大学に通っていたからそれと巡り合えたと言えるが、書いてみないとわかんないことだし、書いてきたから有名になったのだが、消した文章は山ほどあるので、それに対峙する日がくるかもしれない。松永天馬は私の言葉を全部保存しているらしいが、元彼の生々しい描写(例えば、元彼とデートしてセックスしかすることがない(共通項が何ひとつないから))とかをもし見ることがあるなら、きっと泣いてしまうだろう。元彼が悪いわけではないけど、なぜ肉欲よりもいいものを見つけられなかったのかを考えると、やっぱぞっとしてしまう。

でも、母親もそうだし、ヲチしてるコンカフェ嬢は年に一回彼氏が変わるので、全員とセックスしてるわけではないだろうけど、1回以上は確実に失敗してるわけで。仲良くしてくれてる薔薇園さんも、たくさん恋愛をしてきたという。やはり、回を重ねて積みあがる修羅みたいなものがあるんだろうけど、人の出会いによる。コンカフェ嬢なんかも、味見してみてよかったと思う人と付き合ってるから今があるんだろうけど、私は元彼とかアルコール中毒症のおじさんとか振り返ると、こんな弱者にしか好かれないのかと愕然とする。私はたまに変なファンがくっついてくることがあるが、みんな、なんていうかなあ、障害者になることすら拒否した我の強い弱者にしか好かれない。なんていうか、アーバンギャルドの「メトロスペクティブ」の「背神者」の歌詞のように「でも知ってるよ 君は君の神様 欲しいだけなんだ! まるで着ぐるみピエロさ」があるが、そういう人は啓蒙されたいし信仰していたいし、よすがが欲しいのだろう。ただの甘ったるい女の子では、信仰に耐えられないが、私は金稼ぎそうなのは思う。金じゃなくても、「僕って無価値だよね」という問いに「いいえあなたにはわたしがいるじゃない」みたいなアンサーを出しそうなんだろうな私は。ぞっとする。

皆さん。「僕って無価値だよね」と言われたらなんて答えますか。その答えを持てると、弱者があなたに群がり搾取していきます。おぞましい。

贋物とほんもの論

占いに行く。占いに行く趣味は月に二万くらいかかるが、なかなか飽きない。なぜなら、「読み」を勉強する場である。批評家になるにあたって、まったく役に立たない方面の磁力だが、わたしはこれやと思っている。

占いに行く。行くと前の相談者が「わたしにツインレイ、いますか?」と訊いている。なのでわたしも「ツインレイってなんですか」と占い師に訊いたところ、

・誕生日が近かったり出身地や年齢が同じ
・考えてることや過去の経験や趣味が同じ
・行動がタイミングがシンクロする
・互いのホクロに特徴がある

などと言った「めやす」を教えてもらったが、そうじゃないだろう……とわたしは思った。ツインレイのコツである「偶然性」というのは、仮性ツインレイであって、本当の真性ツインレイは

・わざと片方のタイミングに沿わせて行動する
・片方の気持ちを全部知ってる
・逆に年齢が一回り離れてたり出身地が遠かったりする

などという「作為性」にあるように思うと占い師に言ったところ、占い師になりたいのであればある分野を特別視しないほうがいい、すべての分野にいるお客様でありひとつのスピリットをひとつずつ尊重し、それが結果多様性を維持するということが大切と言われた。

占い師の視座を獲得するつもりではあるが、どうしても、ツインレイの「運命の人がツインレイ」という説に異を唱えたくなる。ツインレイは現状仮性も真性も問わずに単に自分にとってビビっときた相手がツインレイということになっているが、わたしは真性ツインレイの血涙滲む人生を考えたら、分離したほうがいいような気がする。何も仮性ツインレイは偽物と呼んでいるわけではないし、真性ツインレイの夜這いとか言う概念の後味の悪さや、その道を究めると相手の身体にホクロを転移させることができるのを考えると、やっぱ仮性ツインレイの概念が霞むし、仮性ツインレイはしあわせはしあわせだけど、仮性ツインレイで仕上げた暮らしは、他の仮性ツインレイで上書きされることもある。

人間、「偽物」と言われると虫の居所が悪くなるけど、最近日本製品を見ていると「偽物」の質の高さに圧倒されることがある。天ぷらなんかはポルトガルの由来らしいけど、絶対日本で食った方が旨い。仮性ツインレイもそうで、仮性ツインレイのほうが旨いしあわせなのである。しかし、偽物は、「本物」が存在することを知った方がいい。本物は、偽物が市民権を得過ぎていて、なんだろうな、結構偽物は「わたしは苦労している」みたいなことを結構言いがちで、それを次元の一個上の人が何を思ってみているのかを想像したほうがいい。

日本にいると、一般ピープルの質が良過ぎて、アーティストからしたらどっちが本物でどっちが偽物かがわからなくなる。アーティストが普段着で切れない地雷系の服を、一番かわいがっているのはなにものでもない女の子だ。そういう視点があるから、本物の人は何もしゃべらないし、そもそも、本物であることを知られたくない境地にまで自分を高めている人が多い。本物が姿を現さないことをいい気に、偽物はにせものの人生を謳歌している。もっと謙虚になるべきはあなただろうが。

関係ないけど、「ドトール詩人」が全国に点在するようになった肌感覚がある。その詩が、例えわたしの詩を汲んで、5行で編まれたとして、その詩が全然わたしの意を汲んでないとしても、5行ができたならそれはそれでいいじゃないですか、と思うし、私のポエムが曲解されたとしても、それでいいっすよ~と思う。そういうしかないのが本音だが、たとえ私が自分を7個書いて、9個読まれたり、5個しか読まれなかったりしても、なんていうか自分の意志がまるまる読まれていることに恐怖を覚える質なので、その誤差が「ああ、あなたはわたしを凌辱してない」と安心する。

さらに言うと、本物である自覚というのは、誰にも備わってないのかもしれない。ただ、アーティストになると自分が製品になったかのような錯覚を覚える。売られているのは、ありがたまれているのは、単に空気だとしても、しこしこと創作をせずにはいられない。

LINEを眺めていると友達ですか?とサジェストされる高校の同級生が次々と結婚するのがわかるが、苗字を見ると「え?あいつと?」と思うことばっかりだ。仮性ツインレイはツインレイとして、相手にビビビっときたとしても、単に相手の個性が平均よりもストレスフルなだけで、仮性ツインレイの偽物もあるんだな~と思った。

ロマンシング・サ・ガ3 二次創作(ハリード編)

 死食。300年に一度死の星が太陽をおおい隠しすべての新しい生命が失われる。人も獣も草花もモンスターでさえもその運命を逃れることはできない。
ある時、赤子が1人だけ生き残った。その赤子は死に魅入られて死の定めを負い、成長して『魔王』となり、世界を征服した。魔王はアビスという死の世界のゲートを開き、アビスの魔貴族達をも支配した。しかし、ある日魔王は突然いずこかへ消えた。
魔王が消えた後、世界は四つの魔貴族達に支配された。300年後、またも死食は世界を襲い、一人の赤ん坊を残した。その子は死の魅惑にたえ、死の定めを退け、長じて聖王となった。聖王は多くの仲間に支えられ、四魔貴族をアビスへと追い返し、アビスゲートを閉ざした。
そして今から十数年前。聖王の時代から300年後、やはり死食は世界を襲った。世界の人々もアビスの魔物どもも新たな宿命の子の出現を不安と期待を持って見守った。魔王か。聖王か。それとも。

そんなことはこのハリードにとってどうでもよかった。彼の祖国であるゲッシア朝ナジュ王国は滅亡し、許嫁であるファティーマ姫はいまだに行方知らず。彼の魂胆と言えば、彼の国を滅ぼした神王教団のハゲどもを潰すことと、ファティーマ姫を探すことなのだがその日暮らしの彼にとってそれは途方もない夢だ。……そのはずだった。

ハリードはロアーヌという都市にたまたまふらりと漂浪しつつ喫茶店で飲んでいた。
「おやじ、なかなかいい味だな」
「へへっ、自家製の特別品ですよ。お客さん、このあたりの人じゃないですね。かといって、開拓に来たようにも見えないし」
「ああ、開拓者じゃない。たまたま、こっちの方に足が向いたんだ」
「旅暮らしか~。いいですね~。ナジュ砂漠の方からいらしたんですか?」
「砂漠か……もう何年も目にしてないな……」

 ハリードはナジュ王国絶滅直前を回想した。

「姫、どこにいるのだー? 姫 ひめ ひ~め ヒメ」
しーん。
「もしや、姫の身に何か……」
「ハリード」
「姫、ご無事でしたか」
「もちろんよ。それより、姫はやめて、エル・ヌール」
「しかし、姫様は姫です」
「あなたらしい返事ね、エル・ヌール。明日には、ここを離れるのね」
「ええ。アクバー峠を越え、リブロフへ」
「また戦なのね。殿方は、戦場のあなたをすばらしいと誉めるわ。力強く、そして美しいと。でも私は、いつものあなたの優しさも好き」
「姫……」
 ハリードが何とも言えない感激の嵐に浸っていると、姫が近づき、
「姫はやめてと言ったでしょう。ファティーマと呼んで」

 回想が途切れた。というのも喫茶店に誰かが入ってきたからである。
「見回りご苦労さん」とマスターがそいつに挨拶した。
「とうとう降り出したぜ。この嵐じゃ、ゴブリンも夜遊びには出かけられないな」とチャラチャラした緑色の髪の毛の男が言った。彼に続いて、女がふたり、また男がひとりこの喫茶店に入ってきた。
「トム、エレンと話がしたいんだけど」と緑の髪の毛の男が訊くと、
「ああ、わかったよ。サラ、ちょっと手伝って。何か食べるものを作るから。マスター、キッチン使うよ」と、もうひとりの聡明そうな男が応答し、女のうち一人を連れてキッチンに向かった。

 緑のだらだら長い髪の男が、残っている一つ結びの女に話しかけていた。
「なあエレン、ヤーマスからの船がミュルスの港に着いたそうだぜ」
「そうなんだ。それで?」
「いろんな物がロアーヌまで運ばれて来てるんだ。一緒に見に行かないか? 何か買うのもいいし」
「一緒に行くのは構わないけど。でもねユリアン、あたしはね、あんたと恋人とか、そういうのにはなれないと思うんだ。子供の頃から知り過ぎてるよ。そりゃ、昔はお嫁さんごっこもやったけどね」

 あーあ。ふられてら。そうハリードが思っていた矢先、この喫茶店にまた来客者が現れた。
「馬を……馬をかして……お願い……」倒れ込みながら、彼女は言った。――この金髪はどっかで見たことがあるぞ、とハリードは思った。
開口一番は緑色のばさばさ髪の男だった。「大丈夫か?! こんな嵐の夜に一体どうしたんだ?」
「馬ならあるよ、娘さん」とマスターが言ったので
「かかわりあいにならん方がいいと思うぞ。その人はロアーヌ侯ミカエルの妹モニカ姫だ。こんな田舎の村にずぶぬれでやって来るとはただ事じゃあない。面倒に巻き込まれるのがおちだぜ」とハリードが忠告してやったら、緑色の髪の男がやたら大袈裟に反応した。
「モニカ姫! ミカエル様の妹!! それじゃあ、なおさら助けなきゃ。モニカ様、一体何があったのですか」
「お兄様に、ミカエルお兄様にお知らせしなければならないことが……早く……」
「こんな夜中にモンスターのいる森を突っ切ろうって言うのか、危険すぎる」とマスターは言うが緑のだらだら髪は「なんだか急ぎのようだ。今行くしかないだろう」と正義感をあらわにした。
「マスターの言うとおり一人じゃ危険だよ。あたしも行くよ」とさっき緑色の髪の毛を振ってやった一本結びの女も同行を決めた。
 やれやれだ。若さってやつは。ハリードが「ふーっ」とため息をつくと一本結びが反応した。
「おっさん。あんた口は達者だけどその曲刀は、ただの飾りかい?」なかなか勝気な性格のようだ。ハリードは何もしらないぺーぺー達のために、説明してやった。
「先代のロアーヌ侯フランツが死んでからまだ3か月だ。ミカエルが後を継ぐと決まった時にも、ごたごたがあったようだ。怪しいと思わんか。侯爵位をねらっている奴がいるんだよ。そして、ミカエルがロアーヌを留守にしている今こそ奴らが事を起こす絶好の機会なわけだ。ミカエルが侯爵でなくなれば、モニカ様を助けても1オーラムのもうけにもならん。それに、モニカ様、あんた今、金持ってないだろう? オレは前金じゃなきゃ仕事はしない主義なんだ」
すると、緑色の髪の男が「先代のフランツ様も、今のミカエル様も、オレ達開拓者のためにモンスターどもと戦ってくれてる。どういう事情でもオレは行くぜ」とまたも意気込んだ。ふん、勝手にしろ、とハリードは明後日を向いた。
するとマスターが「お客さん、ずいぶん腕が立ちそうじゃないですか。ここにも金はありませんが、馬ならあります。これでモニカ様を助けていただけませんか?」と言った。ハリードにとって馬は魅力的であった。
「馬か……良かろう。で、一緒に行くのはそこの兄ちゃんとねえちゃんか?」
ユリアン、オレも行こう」と聡明そうな男が言った。
「トム! そう言ってくれると思ったよ」緑色の髪の毛の男、もといユリアンはホッとしながら喜んでいた。
「お姉ちゃん、私も行くわ」とキッチンにいた女が言った。
「あんたはいいのよ。家に帰ってなさい」と一つ結びの女が言うのに対して、ユリアンが「サラをのけ者にしなくてもいいだろう」と言うと逆上したのか一つ結びの女が「のけ者になんかしてないでしょう! あたしはサラが心配なだけよ」と怒鳴った。面倒なことはきらいなハリードは「どうでもいいが、さっさと決めろよ」と言ったら、聡明そうな男が「この四人でいくよ」と案外早く決断した。
「トーマス!」――一つ結びの女は不服そうだ。
「メンバーは決まったわけだ。まあ、この曲刀カムシーンの名にかけて無事に送り届けてやるさ」とハリードが独り言ちると「曲刀カムシーン! お客さん、あんたあの有名なトルネードかい!」とマスターが反応してくれた。
「オレをそう呼ぶ奴もいるな。俺の名はハリードだ」ハリードを先頭に、自己紹介ラッシュが始まった。
ユリアン・ノールだ」と緑色のだらだら髪の男が言った。
「エレンよ。エレン・カーソン」と一つ結びの勝気な女が言った。
「妹のサラです」とキッチンにいたお嬢ちゃんが言った。
「トーマス、トーマス・ベントだ」と聡明そうな男が言った。
「モニカと申します」と皆知っているのにわざわざ紹介していた。
「これはご丁寧に、モニカ姫。まずは、一眠りだ。起きたら、腹ごしらえをして夜明け前に出発だ」とハリードが言ったら「待ってください。すぐに出発しましょう」というので、あほんだら、とハリードは思った。
「だめだ、モニカ様。あんたの様子じゃ、出発して10分と持たない。さあ、休んだ休んだ!」

 と言う訳で、なぜか5人はモニカのため、すなわちロアーヌの王家のために戦闘することになった。面倒なことに巻き込まれてしまったが、これも一興だろう。
「モニカ様をきっちりガードしてろよ。モンスターや追っ手はオレが始末する」
 ハリードも戦闘に入りつつ若者たちの戦いぶりを見ていた。ユリアンはどこか危なっかしいところもあるが着実に大剣で敵を倒していた。エレンは腕っぷしが強くて斧で敵を一網打尽にしていた。サラはとても器用な嬢ちゃんで弓矢を使い的確に敵を仕留めていた。トーマスはとても賢く、てきぱきと玄武系魔術を回復なり攻撃なり使いこなしていた。モニカは物陰から一同を見ることしかできなかったが、彼女も一応兄にならって小剣を使うことができるらしい。
ボス戦でガルダウイングが出てきたのにはハリードもびっくりした。死食でアビスゲートが復活したという噂がもっともらしいことが分かった。
難なく戦闘を終えると、無事にモニカをミカエルの元に届けることができた。

「モニカ、一体どうしたのだ? こんな所までやって来るとは?」
「お兄様、大変なのです。ゴドウィン男爵と大臣が反乱を!」
「そうか……それをわざわざお前が知らせに来てくれたのか。後ろの者たちは?」
「私をシノンの村からここまで護衛してくださったのです」
「わが妹を助けてくれたことに感謝するぞ。今は遠征中であるから、大した礼はできぬ。ロアーヌに戻ってか十分な恩賞をとらせよう。すぐにロアーヌに向けて出発せねばならん。ゴドウィンとは一戦交えることになる。お前が一緒に来るのは危険だ。そうだな……お前達、もうひと仕事してもらえぬか? モニカを北のポドールイまで送り届けてくれ」
「ポドールイ……あのヴァンパイア伯爵の所ですか!」とユリアンが喚いた。
「そうだ。レオニード伯爵は信用できる。へたな人間よりもだ。モニカ、よいな?」
「お兄様のお言いつけならば、喜んで」
「もちろん、モニカが吸血鬼になられては困る。充分注意してくれ。では出発の準備をするように」
 ハリードも皆に倣って出発しようとしていたその時、

「待て! お前、トルネードではないか?」とミカエルが言った。
「俺をそう呼ぶ奴もいるな」
「これは良いところに現れた。トルネードよ、お前は私とロアーヌに来てくれ。モニカの護衛はその4人で良い」
「出すものを出してくれれば俺は構わんぜ」
「こんな所で貴重な戦力が手に入るとは、世の中何があるかわからんものだな。ロアーヌへ戻ったら、すぐにむかえの者を送る。頼んだぞ」
 契約が成立したところで、ハリードはミカエルと5人を見送った。
「お兄様、お気をつけて」
「ロアーヌで会おう」
なんだかモニカが身軽すぎるような気がしたので、「もう少し護衛をつけてやったらどうだ?」とハリードは聞いてみた。
「予定外なのだ」
「えっ」
「ゴドウィンが父の生前から陰謀をたくらんでいるのはわかっていた。反乱を起こさせておいて、奴らの一味を一気に片付ける」
「計画どおりというわけか。恐ろしい人だ。だが、妹が知らせに来たのは計算外と」
「男爵に勝てる最低限の兵しか連れてきていない。そうでなければ奴は反乱を起こさない。これ以上、一兵たりとも減らすわけにはいかんのだ」
「しかし、妹の身に何かあったらどうする?」
「私が死ねば、あれも生きてはおられぬ身よ」
 ミカエルが馬を走らせたので、ハリードはそれを追った。

 ロアーヌが持っているテントの中で、秘密会議が行われた。ロアーヌ軍の幹部らしき男たちがそれはそれは丁寧に事の経緯を話してくれた。
「敵は2つの部隊に分かれております。本隊をゴドウィン男爵自らが率いており、前衛部隊の指揮官はラドム将軍です」
ラドム将軍までもがゴドウィンと……」
「仕方あるまい、ラドムの妻は男爵の娘だ」
「そのラドムってのはいい将軍なのか?」ハリードが訊いた。
「ああ。曲がったことが嫌いな男で部下にも好かれている。しかし、ラドムが相手となると苦しい戦いになるな」
 そんな奴が、反乱ね……。ハリードの頭の中がごちゃごちゃしてきた所、知らせの使いがテント内に入ってきた。
「申し上げます。ゴブリンの群れが領内に侵入してきました。ゴドウィン男爵が誘い込んだようです」
「ゴドウィンめ、モンスターと手を結ぶとは!」と兵士。
「ゴブリンどもを蹴散らすぞ」とミカエル。
「殿!! それではゴドウィンとの決戦に差し支えます」
「私はロアーヌ侯だ。この地を護らねばならん」
 その言葉を聞いたハリードは、ひとつ決心した。「新しいロアーヌ侯が名君だという噂は聞いていたが事実らしいな。俺に戦いの先陣をまかせてくれないか?」
「私の指揮では不安か?」とミカエル。
「いや、戦場であんたにもしものことがあったらモニカ姫がかわいそうだからな。後ろの方で見物しててくれ。俺の命を皆に預ける。この異国の者に命を預けてくれるか?」
するとロアーヌの兵士たちは高揚しながら、「猛将トルネードと共に戦場に立てるとは望外の喜びだ」「名誉なことだ」と口々にした。「共に敵を打ち破ろうぞ!」「「「「おー」」」」

 軍隊を仕切るなんて久しぶりだが、腕が鳴る。
「御命令を!」とミカエルの部下が訊くのでとりあえず状況を把握しておく。「敵はゴブリン軍団です。ゴブリンは4000、わが軍は2000です。敵を撃破してください」
 早速戦闘に入る。陣形は縦列にして、初っ端から全軍突撃する。相手の士気が相対的に下がる。戦っていくうち、敵の何千人かが退却しているのがわかる。ハリードは不思議に思いながらも目の前の敵を倒すことに全力を注いだ。兵力がなくなっていく頃、戦術を変えてとりあえず指揮官だけでも敵陣に突入していこうとハリードは決めた。だいぶ兵力も回復して、また突撃の準備をしようとした矢先、敵後方に騎馬隊2000騎が出現した。騎馬隊が奇襲をしかけるとの知らせに、もう終わりかと思った。しかし騎馬隊が攻撃したのは敵陣だった。というのも騎馬隊の指揮官はラドムであった。ラドムはやはり曲がったことが嫌いな性分なようだ。奇襲が痛手となり、ゴブリン軍の指揮官:ゴブリンキングは戦闘不能になった。敵軍は混乱を極め、その隙をついてハリードは敵陣を打ち破った。

「本来ならばミカエル様の下に真っ先にかけつけねばならない立場ながら、義父ゴドウィンの陣営に参加しておりましたのは万死に値します」
ラドムよ、よくわが軍に加わってくれた。お前のおかげでゴブリンどもを蹴散らすことが出来た。礼を言うぞ。今後も国のために働いてくれ」
「このラドム、必ずや今回のつぐないをいたします」

 次の戦闘に入る。「御命令を!」とミカエルの部下が訊くのでとりあえず状況を把握しておく。「敵はゴドウィン男爵の旗本です。敵は4000、わが軍も4000です。敵を撃破してください」
敵は波状盾の陣だ。こちらは適当に縦列陣形を選択する。戦闘が開始した。前進攻撃から始め、敵の兵隊が少なくなってくると敵が前二列を交代する。兵力がまだあるうちに、全軍突撃を決める。こっちの士気が上がり、向こうの士気が下がる。敵軍はまた前二列を交代して、さらに前二列の交代を指示した。その混乱ぶりをハリード軍は逃さず、右側の兵隊が敵軍の指揮官を倒すことに成功した。指揮官を失った軍は、全軍退却した。

 見事勝利をした喜びも束の間、逃げるゴドウィンを急いで追わねばならない。ハリードはミカエルと共にロアーヌの城に入り、ミカエルを護るライフシールドという陣形で城内のモンスターを倒していった。奥まってくると、向こうから気高そうな女がやってきた。
「ミカエル様!!」とその女は叫んだ。
「カタリナ! 無事か!?」とミカエルが心配そうに尋ねた。
「はい、大丈夫です……」と、カタリナは怪訝そうにハリードを見つめるので、ミカエルは「この男か? あのトルネードだ」と紹介した。
「ハリードだ。よろしくな」
カタリナは安心したようで「それは心強い味方ですわね。ゴドウィン男爵は恐らく、この玉座の間に!」と教えてくれた。
「よし、行くぞ!」

 扉を開くと、恐れ多くも鬼の姿をしたモンスターがロアーヌの玉座に座っていた。
「来たか、ロアーヌ侯。あいにくだがゴドウィンはとっくに逃げ出したぞ。全く役立たずめが」
「やはり、そうか。お前達が男爵を操っていた黒幕か。目的は? お前達のボスは何者だ? いや、答える前にそこからどいてもらおう。ロアーヌの栄光ある玉座をけがすことは許さん!」
「この玉座、聖王の重臣フェルディナントがあつらえた物だな。なかなか座り心地がいい。俺は、ここをどく気も無いし問いに答えるつもりもない。お前の力で俺を動かすことが出来るかな?」悪鬼が構えたのでこれは戦闘が開始されたのだとハリードは心得た。

 カタリナが加わり、三人になったので陣形をまた変えた。クローズデルタという、くの字型を選択し、ハリードは先頭に立った。これもモニカを取り巻くミカエルやカタリナを護るためだ。
 曲刀三日月刀(本人はカムシーンと呼んでいるが)を操るハリードは必死にデミルーンを用意するも悪鬼のぶちかましに邪魔されて攻撃にならない。カウンター技であるパリイを用意すると、ぶちかましが来た時にぶちかましを無効化することができ、なおかつ攻撃もできるので一石二鳥である。カタリナの小剣:マスカレイドをウェイクアップして大剣に変化させた後に繰り出すムーランルージュはなかなかダメージが大きかった。またミカエルの持っていた生命の杖の回復が功を奏して、見事悪鬼を倒すことができた。

「この難局を乗り切ることができたのも多くの者たちのおかげである。特に、ハリード、ユリアン、トーマス、エレン、サラ。お前たちは私の家臣でもないのによく働いてくれた」
「ハリード様有難うございます」
「金のためだ。別に感謝してもらう必要はないぜ」
以下5人も、モニカから謝礼を受け取った。
「トーマス様有難うございます」
「もったいないお言葉です」
ユリアン様有難うございます」
「自分が正しいと思うことをやれって、おやじがいつも……別に、そんな……」
「エレン様有難うございます」
「モニカ様と旅をしたの結構楽しかったよ」
「サラ様有難うございます」
「……いえ……」
「カタリナ有難う」
「モニカ様の勇気がゴドウィンの野望を打ち砕いたのですよ」
「十分な恩賞を与えよう」
「まあ、当然だな」
「もう、ハリード様ったら!」とモニカがはじけたように笑ったので、一同も笑った。

――数日後。
「これからどうする?」とミカエルが訊いた。
「何をするっていうあてもないんだが、ランスにある聖王の墓でも見に行ってみようかと思ってる」とハリードは素直に答えた。ミカエルの恩賞を貰った今では、あのハゲを倒せる可能性が見えてきた。「じゃあな、妹を大事にしろよ。モニカ姫、お元気で」

ロアーヌのパブで例の4人に会った。
真っ先にトーマスに話しかけたら、「ハリード、俺はピドナに行く事になった。どうだ、一緒に来ないか?」と言われたので
「ピドナを支配しているルードヴィッヒとは昔、色々あってな。奴の近くには行きたくない」とハリードは正直に答えた。
「残念だな、それじゃあまたどこかで会おう」
「おう、お前も元気でな」
 次にユリアンに話しかけた。
「ハリード、俺は新しく出来るモニカ様の護衛隊に入るんだ」
「そうか。俺は北に行く。しっかりモニカ様の護衛をしろよ」
「ハリードも元気で」
 次にサラに話しかけた。
「サラ、俺はランスへ行ってみようと思っている」
「ハリード、お別れなのね」
「行ってみるか?」
「でもお姉ちゃんが何て言うかな……」サラがエレンを一瞥した。
「ランスか……聖王廟のある街ね。行ってみようか」とエレンが答えたので「うん! 行こうランスへ、聖王様の街へ!!」とサラは喜んだ。
 のも束の間。装備を剥ぎ取ってパブで別れた。旅はこれからである。(続きは書きません)

火だるま

  画面の向こうからゾンビが次々とこちらにやってくる。それを次々と急所めがけて撃ち抜き殺していく。この光景を作っているのはゲームの幻想ではあるが、現実もそんなに変わらない。ゾンビを次々に撃ち抜くのはこの意識の当事者である僕ではなく、傍らにいる真田の手によるものである。僕はライフルを持てない。手足がないからである。
 真田は高校のクラスメイトで、僕の世話役だ。たまに「軍の幹部になるんだ」という壮大な夢を語る時もあるがそれに向けて努力をしている様子はない。僕が軍にゾンビと間違えられて銃撃を受けてこんな姿になったのだが、僕に構わず軍への憧れをだらだら喋ってくるちょっと困った奴なのである。
「今日のスキル、100万超えた」
「へーすごいね。ランキング入りじゃん」
「俺、軍に入れるかもな」
 実際問題入れるのである。軍は最近身体障碍者を優遇するシステムを採用し始めており、僕なんかは結構簡単に軍に入れるし、世話役として一人だけ連れていく人を選ぶときに真田を選択すれば彼は軍に入ることができる。しかしそうしないのは、僕が軍を全く信用していないからである。
「……帰るか」
「え、もう一回できるのでは?」
「俺、やることあるから」
 あっそ。どうせお前はエレナと会いたいんだろ。俺は知っているぞ。
 エレナとは、僕らの下宿先の近くの酒屋の娘だ。ビッチで有名である。でも男心をもてあそぶほど賢くはない。最初こそ真田はエレナのことを味噌糞に言っていたけれど一回ボディタッチを食らうとこうである。俺は絶対こうはなりたくない。

 煙草臭いゲーセンを出る。明日は学校なのでその準備をすべく下宿先に戻る。バスが走った後ろ姿から石油が燃えたような、冬の匂いがする。ハンバーガー屋のそばを通るとやっぱりゾンビの死体を見つけることができた。ここらへんはやたら治安が悪くゾンビもそうだが人間の死体もよく転がっている。死体を蹴りながら一番安いハンバーガーを買い、食べ歩きしながら部屋に戻った。
「……はあ」
「なんかオメーため息ばっかだな。そんなにエレナに会いたいか」
「いや。別に。でも。こういうのって惚れたが負けだな」
「……なんだソレ、どーするの、酒屋行くの?」
「金、もう無ぇーし」
「俺が貸してやるよ。行こうぜ」
「サンキュ」

 いつもは僕の電子車椅子のペースで歩くがこの時ばかりは真田が僕を担ぎ上げては車椅子を押して走った。酒屋に行くと、やはりエレナが出迎えてくれた。
「待ってたよ。真田っちと、……あれ?」
「あのさあ。悪意あるよね。いいかげん名前覚えてくれないかな。眉村勇人だよ」
「あー。マユちゃんね」
「女じゃねーし」
「とりあえず、真田っちとマユちゃん8番テーブルにご案内しますねー」

 見かねた真田が「いいなー。エレナとやりとりできて……」と言っていたのだが余計なお世話だ。8番テーブルに向かうと、すでに誰か女の子が座っていた。あれ。
「あのー、ここ空いてますか?」
「……眉村ハヤト。真田アツシ。ね」
「「はい?」」
「いいや。こっちの話。座ってちゃ悪い?」
「うーん。真田、どうする?」
「俺はべつに」
「あらどうも。私こういう者なの。よろしく」
 そういって女は黒いセーターの向こうのあんまり無い乳の谷間、っていうか隙間から名刺を取り出した。真っ黒な小板には〝如月アヲヰ〟とインクが印刷されていた。面倒なので俺はアオイと呼ぶ。
「あの、なんで俺たちの名前知ってるんですか」
 そう質問した瞬間、エレナがこっちのテーブルにやってきた。
「ごめーんおそくなって。なに頼む?」
「俺コーラでいいや」
「私はホットコーヒー」
どうしようかな、と真田が迷っているようなので「なんでもいいからとりあえず頼んどけ」と耳打ちしてやったら、真田はこの店でなぜか1番高い〝お絵かきココア〟を頼みやがった。そういう根性。嫌いじゃない。お絵かきココアはエレナが淹れるので、二人仲良くお話するきっかけにと頼んだんだろう。ほほえましいことよ。

「さっきの質問。答えてあげる」
「ありがとうございます」
「私はエレナの友達だからよ」
「ふーんそうですか」
「私からも質問していい?」
「どうぞ」
「なんで芋虫になっちゃったの」
 無神経の友達はやはり無神経だな、と実感した。俺は仕方なく正直に伝えた。じゃないと面倒だし。すると質問攻撃が次々と始まった。「家族は?」「真田はそのことを知っているのか」……気が滅入る。こんな奴と知り合うくらいなら真田におごるんじゃなかった。
 でも空気をぶち壊すわけにもいかないので答えた。俺の家族はこんな都会から2時間かけて列車に乗らないといけないような田舎に住んでいる。その地域では有名な地主で、結構裕福。そんな家の長男が俺。いっぱい習い事させてもらって、いっぱいお金つぎ込んで育ててもらったのに、中学3年のある日たまたま都会に出たらどうしたことかゾンビと間違えられて銃撃された。その日以降障碍者になったので、いつも誰かが付きっきりの生活になった。
「俺は国軍に撃たれてこうなったんだ。それだけでいいか?」
「それだと恩給で一生働かなくていいじゃん。よかったね」
「お前の目論見はなんだ」
「なにもくろみって」
「お前は何の魂胆で俺に近づいた」
「あんたってちんこついてんの」
「うるせー、死ね」
 嫌がってたら黙るかと思ってたらアオイは思いっきりおれの金玉を掴んだ。
「性処理どうしてんの」
「責任者を呼んで来い。こんなの犯罪だ」
「あんたは何をオカズにミルクを出してるの」
「お前なんかがオカズになるもんか」
「いずれにせよ、話は早い方がいいわ」
「真田、帰るぞ」
 真田は俺が知らない間に俺の金でエレナとVIPルームで遊んでいた。
「真田アツシ、って言うんだっけ。あの人童貞だよね」
「だから何だよ」
「まあ幸せでしょうね。エレナにしゃぶってもらえて」
「帰る」
「芋虫さんがどうやって帰るんでしょうか」
「車椅子なめんなよ」

 俺はコンビニでウォッカを買って、コンビニの机に車椅子を寄せて、2時間夜明けを待った。その夢の中で、全身がたまご状のなにかになって、飲み込まれる夢や、全身の皮膚の細胞一つ一つがピストルのように弾けて国に向かって撃つ夢なんかをみて、全身ぐっっしょりだった。さっき見たアオイが、夢に出てきて、呪うように僕の体に巻き付いた。僕が射精する側なのに、アオイが巻き付いて、性器を捥がれて、僕がからからに干からびて死んでいくのが早送りされて、最後、息を呑むと、コンビニの窓ガラスから朝日が差しこんで、真田がやってきた。いつものように身支度をすると、真田がビビった。
「眉村、お前、夢精してるよ」
「え?」
「アオイになんかしてもらったの?」
「あいつ、もう会いたくない」
「そうなんだ」
「うん」
「実は、俺、昨日エレナとヤったんだ」
「そうか」
「うん、嬉しかった。昨日の自分とは一味違う気がする」
「真田はさあ」
「うん」
「軍隊入りたいんだっけ」
「いや。別にどうでもいいよ」
「俺も、入ってみたいよ」
「どうして?」
「一生働かなくていいって、舐められたの、めちゃくちゃ腹立ってる」
「アオイに言われたの」
「入ろうぜ、軍隊」

 僕たちはその日のうちに軍隊に志願書を送った。後日、エレナが軍隊の面接のコツを教えてあげると言って僕と真田をハンバーガーショップに連れて行った。
「いつまでたっても来ないね」
「エレナは売れっ子だし」
「お前はむなしくないのかよ」
「はあ? どうってことないよ」
「俺、トイレに行く」
「ここバリアフリーだったっけ」
「大丈夫、一人で行くよ」

 バリアフリーと宣いながらも、店内からトイレは遠く、ハンバーガーショップの隣にあるスーパーの施設内にトイレがあり、なかなか苦労した。本当はトイレをするのも一人だと時間がかかるが、なんとなく真田離れしたかった。
 用を足すと、外にアオイがいた。
「どうせ、お冷しか飲んでないんでしょう」
「は?」
「こんな店出るわよ」

 俺は網にくるまれて、ワゴン車に連れられ、例の酒屋に行った。ドアを開けると、エレナの喘ぎ声が店一杯に広がって、今日は定休日だけど、軍関係者で店は一杯で、俺は真田の姿を探していたが、どこにもなかった。
「という訳なの」
「いや、という訳なのってなに」
「真田君はさっきゾンビになりました。」
「え? あ? は?」
「あのハンバーガー屋、クラスターなの」
「俺はどうなる?」
「軍隊に条件免除で合格よ」
「でも、俺はわかってるんだよ」
「あらそう」
「俺の使い途なんざ、身体にダイナマイト巻き付けて終わりだろ」
「そうなの? かしら」
「だから俺は軍に入りたくなかったんだ」
「でもまあ。親孝行にはなるわよ」
 俺はその後アオイにフェラチオされて3回イった。

 やがて来るべくしてきた初めての実戦。俺はあのハンバーガーショップに向かった。あそこにいる客は、みんな、自覚しないままゾンビになっていく。店の中に入ると、店員に真田がいた。真田は俺を見つめたが、何とも思わなかった。俺は身体にライターで火をつけて、火だるまになり、店中を焼いた。この店が焼き払われた後、ゾンビの疫病は終息した。

 アオイは俺と結婚したので、さぞかし恩給で一生遊んで暮らすのだろう。

結局買わなかったものリスト

わたしは金遣いが荒いほうだと思っていたが、案外そうでもないということを最近知る。なぜならなんやかんやでクレカの信用を失ってないからだ。わたしは収入が月7万なのでクレカの上限は10万くらいだが、まあまあ月々ひいひい言いながら決済している。わたしは買いたいものはたくさんあるが、いかに買わずして生きているということをこの記事で知っていただけたらと思う。

 

【結局買わなかったもの 一覧】

椎名林檎論 乱調の音楽

これは丸善に行って直接パラパラとめくって拝見したのだが、確かに、作曲ができないわたしにでもわかるように論じられていた。しかし椎名林檎のライトファンであるわたしは椎名林檎に3000円払う気がしなくて買わなかった。椎名林檎が、依存症のPVで車を焼いたときに抗議があって急遽歌詞を変更した、というのはキャンペーンの一種であることをとあるツイキャスの配信で言及されていたので、読まなくていいかーと思い買わなかった。

・〈ツイッター〉にとって美とはなにか SNS以後に「書く」ということ(大谷能生

これも丸善に行って直接パラパラとめくって拝見したのだが、アカデミック(古典哲学的)な手法で、昔言葉でSNSについて論じられていたのだが、わたしはユングフロイトでさえも読めない。読んだと言ってもせいぜい河合隼雄までだ。デカルトとか読まないのでこれも読めないというわけだった。

・ひとりの宇宙 新宿二丁目「星男」とクィアな私の物語

これも丸善に行って直接パラパラとめくって拝見したのだが、そもそも、真珠子さん経由で櫻田宗久を知ったのだが、真珠子さんがそもそもこれから歌舞伎的解釈タロットカードを販売するらしくて、その監修に携わったらしいことを言っていたが、とにかく、学術書的なものかと思って見たらがっつりエッセイだったんで(そんなことある?)、なんか、この本がサブカル的価値があるとしたら、新宿二丁目界隈を年表化しているところにあるのだと思うけど、実際、結構自分でも勉強不足だと思うけど、新宿二丁目に興味がないので、あと、櫻田宗久がモデルだった時の暴露話がもしあるのなら聴きたくないと思って買うのをやめた。

・鬱の本

大槻ケンヂや後述の「上篠翔」が寄稿していると聞いて、買おうかどうか迷ったけど、文庫にしては2000円するのは高いし、あと大槻ケンヂや上篠翔が書いたとしても、他の何十人もいる執筆者がノイズだなと思って買うのをやめた。

・今夜、笑いの数を数えましょう

2017年とかに芽むしりさんのツイッターをヲチしていて、そこで「これを読むと良い」と言っていたけど、前置きが「お笑いを目指したいならこれを読めば芯を食ったネタが書ける」みたいなことを言っていたけど、当時はお笑い芸人になりたいとか、テレビマンになりたいという野望がうっすらあって、でも就活になるとどこからアプローチしたらいいか全然わかんなくて、それでもKBC映像とかは受けて、多分「障害者なんです」って言ったから落ちたけど、なんか就活を経て意識が淘汰されてこの本を買うに至らなかった。街録チャンネルのトークライブに行った時、三谷三四郎が「テレビマンなんて(摩耗されていくことを覚悟していれば)誰でもなれますよ」と言っていたのだが、精神障碍者なので、「本当に縁がないな~ちくしょー」と思った。

統合失調症の一族 遺伝か、環境か

めりぴょん曰く「固有名詞のカタカナが多い」ので買わなくてよかったと思う。わたしは桜庭一樹の「ブルースカイ」ですらそういう理由で読めない。あと、私の中である程度統合失調症についての見識が高まっているので、これは逆にノイズになるかなと思って読んでない。これと同じようなバズり方で興味を持って買った「なりすまし(スザンナ・キャハラン)」は面白かったし、ためになった。

・TRY48

「え、これ私読まなきゃいけないの?」と思ったけど、今でも読むかどうか悩んでいるけど、読んだ方がいいんですかね。寺山修司二次創作作品なのだろうが、寺山で二次創作するのであれば、という流れを汲んで今は猫も杓子も劇団をやりたがるんですかね。なんか絵恋ちゃんの事務所も総がかりで演目打ってるし、大森靖子なんかお前がオリジナルと思ってるんだろうけど、がっつり寺山修司の6番煎じだからなと思う。椿宝座。寺山修司を二次創作したような人生をわたしは送ってるんですけど、それだけでいいよな?と思う。これ読まなくてもいいですよね。

・オラクルカード 日本の神託カード

わたしはタロットカードは6種類持ってるけど、オラクルカードも充実させないと占い師になれないよね~と思ってこれをお気に入り登録したが、わたしにサイキックアタックしたのつちえこ(葉野ちひろ)が持ってたし、あんなセンスなしと同じところに居たくないと思って買わなかった。

・サイキックタロットオラクルカード

ラクルカードをアマゾンで調べたらこんなのしか出てこないが、これは絵柄が何度見てもあんまり好きじゃなくて買わなかった。

・漫画 愛しのアイリーン

映画が最高なので、漫画も揃えたかったけど、漫画はアイリーンが誇張してブサイクだったし、いつも入荷待ちなので買わない。

真珠子 歌舞伎タロットカード

5500円。買わなきゃいけないと思っていたけど、タロットカードや占いがわたしの中でオワコン化してきたのと、あとは歌舞伎について今更勉強したくもないと思ったのと、筆ペンで書いた絵柄が私好みでないので買うのを断念した。買えばプレミアつくんだろうが。

 

【番外編① 買ってよかったもの】

・聖少女

古本屋でお値打ち品として挙がったのを買った。本当にいい体験をした。

・さがるまーた vol.1

3300円したけど、めちゃくちゃ安すぎる。ふろくも愛があった。

・君が手にするはずだった黄金について

作者がこの本で2000円取るのをためらうようなきらいがあったような気がする。インタビューを見てなんとなく思った。しかし、5作中まだ2作しか読めてないが、めちゃくちゃお値打ち品。

ブブカ 2023/10号

坂本慎太郎インタビューしか読んでないが、買ってよかった。

BRUTUS 2023/6/1号

鉱物図鑑号。オパールの瑪瑙。

・モリマサ公 詩集

2023年に出会った巨星。港区女子かと思いきや、つくば系ハードマザー。筑波大学って自殺者が日本一多い大学らしい。出会ったうえで、いつも面白い。どのページも面白い。

・チェキプリンター

本当は9000円のチェキ機を買いたかったが、13000円する間違いのないアートを買ってしまった。しかしチェキフィルムが高い。20枚3000円。

・蛍日和(小谷野敦

わたしのツインレイは予測変換で「小谷野敦は小説が下手くそ」と言っていたが、確かに長く伸ばそうとしてないというかできてない。でも枯山水のような味わいがある。

 

 【番外編② 買って失敗したもの】

・ぼくらのSEX(橋本治

ジャケ買いしたけど、橋本治は「恋愛論」を読んだら、あとは読まなくていいと思う。今更セックス論なんて。わたしは処女じゃないのに。

完全自殺マニュアル

煙草を43本つけた溶液を飲むと死ねる、とか言ってたけど、それも全部フェイクなんでしょ?

・エモーショナルきりん大全

ツイッターは面白いけど、この短歌集は内容がなさすぎる。

ボイジャータロット

悪いことを言わなさすぎる。タロットは嫌なことを絶妙な温度で言うから面白いのに。

・クロウカード

二種類買ってしまったけど、一種類は実用的(実際にタロットができる)なのと、もう一つはディスプレイ用。このディスプレイ用がタロット全然できるような代物じゃなくて、買わなけりゃよかったと思った。

 

【番外編③ いつか買いたいもの】

アルトナン・アルトー

・王小波

・残雪