文字狂い

オタクにもサブカルにもなににもなれずに死ぬ

宮本から君へ ネタバレ

どうせ私の人生をつまんなく思うくらいドラマなんだろうと思っていたけど、近からず遠からずであった。とにかく泣きすぎて、瞼が重い。あと感情がぼんやりしている。

見てほしいからあんまり言わないけど、とにかく蒼井優が綺麗でなんなら私の姉ちゃんを思い出したくらいで、負けず劣らず池松壮亮も美しくて見ていて眼福だった。なにしても、きれいな色だった。

話の主題を何にするかは観た人ひとりひとり違うし、それも自分で選びとるものだが、私は「勝負」にこだわってしまった。
勝った方も負ける方もそれぞれ思うところがあって、必ずしも勝ったらうれしい負けたらくやしいわけじゃない。たくま君だって、レイプするような人間になりたかった訳じゃないだろうし。

映画秘宝のレビューでは「ポリコレを脅かす内容」と書かれていたが、むしろ私はこの映画でポリコレを学んだ。古典的なものにまったく興味がないのでよくわからないが、この映画に悪者はいなくなったし、敵意を暴走させたい欲望が発散された。ネタバレだな。感情の持っていき方に物語の最先端をみた。

また映画秘宝のレビューで「性別の痩せ我慢」とあった。それが未だに消化しておらず、なんならさっきそんなこと書いているのを知った。私は当初、ひろしの言葉がたどたどしかったのが段々怒りが肉付けされていくのを見て、ひろしは男になったんだな~と思った。やすこはバイオレンスに不安定だが、常に芯が強かった。

レイプシーンあるのわかって観たけど、ほぼ観ずに自分の嗚咽で掻き消した。他の観客すみませんでした。でも、レイプが完了したカットをまざまざと突きつけられて、余計死ぬかと思った。あれはしんどかった。誰にもしんどいから、その感情を6人で共有した。

映画は映画館で高いお金払うから意味がある。これは今日思った。どんなに人と話しても人を信じられない時期だったから、この物語を夢として見ることで、どうにかイライラが収まったのである。映画はすごい。明日も観よう。

この映画にわたしの人生が負けるんだろう、と思いながら観たわけだけど、すっきりとした気持ちで負けたわけなんですよ。挑むことがおかしいというそもそもはさておき、美辞麗句とか発見だけが素晴らしいかって言ったら違う。もっと素朴でいよう。流行りに乗ろう。お洒落しよう。かっこつけちゃえ。それが素朴になるんでしょ。